マツヨばあちゃんと座敷童子のお友だち<生活編4>No6
座敷童子のお友だちの大好きな春祭りもすんで、いよいよ梅雨の季節になりました。
村人は田植えに、猫の手を借りたいほどの忙しさ…
マツヨ農園は梅の収穫を迎え、花ちゃんとレンちゃんは梅の木の下を駆け回っていました。
「ばあちゃん、梅はな、腹下しにいいんだ。」
知恵袋の花ちゃんに、童子のお友だちもビックリ!!
畑係の農家のカエデちゃんは、おしゃべり花ちゃんとは対照的に一人、黙々と畑の草取りに精を出していました。
山形の貧しい農家で、ととちゃんは厳しく、殴られたことで童子になってしまいました。
マツヨばあちゃんは、下向きに頑張るカエデちゃんが大好きでした。
「ジャガイモはすくすく育ち、収穫はもうすぐだ、みんな!ここに来て手伝ってくれ!」
農家のカエデちゃんだけあって野菜作りは慣れたもの、童子のみんなは、オロオロしながらも農作業に頑張りました。
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マツヨばあちゃんをはじめ、童子のお友だちも、一生懸命にマツヨ農園で働きました。
みんなのお腹はペコペコになっていました。
その時でした。サナエちゃんとミドリちゃんがお弁当を作って運んでくれました。
2人で朝からお弁当の準備をしてくれていたのです。
「おにぎりに卵焼き、竹の子にお漬物、大きな重箱にたくさん詰められていました」
「その重箱をみた花ちゃん、なかなかいい弁当だ!といつもの花ちゃん節が…。
顔中にまんまの米粒をつけた花ちゃんにレンちゃん、
「ほれ、ほれ、ゆっくり食べんさいとマツヨばあちゃん!」
「ばあちゃん、畑でみんなと食う弁当はいい味だ!」
「花ちゃん、花ちゃんはまんまになると、元気になるね、それに小さい身体なのによく食べる!
お口が元気なのはいいけれど…
もう少し、畑を頑張って下さいな。それに、心の掃除も忘れないでね!」
「ばあちゃん、オレ、ほうきを忘れた」
「花ちゃん、ふざけないの、罰が当たるわよ。心の掃除は心のお勉強のことなのよ!
花ちゃんなら、食い意地とおしゃべりをなおさないとね…。」
楽しい昼げのマツヨ農園中、みんなの笑い声が響き渡っていました。
続く
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