マツヨばあちゃんと座敷童子のお友だち<生活編12>No14
時空を超えたマツヨばあちゃんと童子のお友だちは、大嶺村に戻ると、季節は秋に…
村中は稲刈りの実りの秋です。
マツヨ農園は草だらけに…
童子のお友だち、みんなで草刈りに精を出しました。
「みんな、草刈りの後はまんまだ!頑張れ!!という花ちゃん、」
食べ物のことになると、みんなはあの東の都で捨てられていた食べ物を思い出します。
童子のお友だちもマツヨばあちゃんも都の暮らしの便利さのあまり、大切な食べ物までたくさん捨てられていて、とても悲しい気持ちに…。
特に、まんまの花ちゃんにとっては命のまんまが…
あの出来事は決して忘れることのできない体験になりました。
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時は静かに流れていきました。
秋も深まり、草花は枯れ、マツヨ農園も今年最後の収穫となりました。
立派な大根が畑一面に…畑係のカエデちゃんを中心に童子のお友だちが笑顔に…
マツヨばあちゃんも、とても嬉しそうに言いました。
「童子のお友だち、本当にありがとう!
ばあちゃん一人では、こんなたくさんの収穫はできなかった。」
今日はたくさんの大根を収穫できたこともあってカエデちゃんの村、郷土料理をつくることになりました。
その郷土料理はダイコンめしといいます。
「オレの村では 米は貴重だからな、オレたち村人はみんな、大根さ入れてまんまさを
炊くんだ…
米さ食えるのは、殿様と村のお大臣様だけだ…
東の都のような まんまさ捨てることは絶対ねぇな!」
マツヨばあちゃんや童子のお友だちは食の大切さを改めて知る日になりました。
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マツヨばあちゃんは、知っていました。
やがて、大嶺村には厳しい冬が…そして桜の花が散る春風が吹く頃には、悲しい別れが来るに違いないと…
童子のお友だち一人一人が神様に導かれるように春風に流されて飛び立つ日が…
その日まで残された短い日々を力いっぱい童子のお友だちの成長のために…
強く暮らしたい…
そして大嶺村の秋の夜空に流れた
流れ星の輝く光はマツヨばあちゃんの瞳の涙を輝かせました…。
---続く----
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